ビジネスのはじまり
誰もが「こんなことやったら儲かるんじゃね?」って思う時は1度はあるだろう。
自分も振り返ると小学生の時に、いまでいうベンチャー企業らしきものを立ち上げた。
小学校5年、男の子は夏休みとなるとクワガタやカブトムシなどの昆虫採集に熱中していた。それに代わるテレビゲームなどはなく、インベーダーゲームが喫茶店にあった程度の時代である。
色々なことを振り返りながらゆるいビジネスを考えてみる。
ベンチャーのはじまりは偶然である。
夜に水銀灯に集まったカブトムシを採るのではなく、朝早起きして、誰も踏み込んだこのない、河川敷の密林の中の柳の木を目指す。草木は自分の背の2倍もあり、もしかしたら戻れないかもと不安がよぎるほどだった。
予想通り、数本の木には、クワガタやカブトムシが数匹ずつ群がっており、図鑑の表紙にでもなりそうな光景は、子供ながらも興奮した記憶がある。
街のデパートに売りに行こう!
夏休み入ってすぐ、年の離れた兄に連れられて、街の映画館で東映まんがまつりとやらを観に行った帰りに、バス停があったデパートに、オスとメスのカブトムシが入った虫かごが、積み重なっていて、それを目にしたとき「カブトムシを買うやつがいるんだ・・・。」
十数匹のカブトムシを入れた段ボールに呼吸用の穴を無数に開け、自転車の荷台に縛り付けて、15㎞の道のりを無言でペダルを踏んだ。もちろん親には内緒である。
デパートにつき、昆虫を売りたいと売り子さんに伝えたら、買うことはできないけど、裏にいる人に相談したら?とのこと。その裏にいる人というのが、ビジネス的に話せば、自分にとっては“専門商社”つまり”卸業者”となる今思えば怪しいおっさんである。
50匹単位だったら買ってやる。
50匹単位であればオス30円、メス20円で買ってくれるという。高いか安いかより、ホームランバーが30円だったので、好きなだけ食える富に鼓舞した。
問題はそこからである。実際、カブトムシを毎日とるのは数匹がやっとで、50匹を採るのは至難の業。そこで、後輩たちを呼び、取引を行うこととした。後輩といっても小学校4年生以下の子供達であるが、なんてたってカブトムシがホームランバーに化けるのである。
さて、ここでビジネススタイルを見極める
算数できれば、いくらで買っていくらで売るかは子供でもわかること。
しかし、ここで重要なのは、カブトムシを後輩(下請業者)から1匹10円で仕入れるのか。または、30円のホームランバーを労働対価のアルバイト費(自社雇用)として、3匹以上の採取を見込むかである。
仕入は、販売量に合わせ仕入量も変えることができるが、売れない場合、多額の在庫を抱えることとなる。
雇用は、人材によっては期待以上の生産性が上がるが、もし売れなくなると人件費がかさみ、資金繰りが出来なくなる。
自分のビジネスがどちらがいいのか!見極める必要が出てくる。
また次回へ